肌の三ア についての


  目次 

 1 垢とは なにか?
 2 常在菌
  過剰な清潔志向
  NMF
 5 デイリー・ケア

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 1 垢とは なにか?



Cut by Mm.

 人間の体の仕組みの中でも、 私たちの体全体を覆っている 人間の最大の器官を「皮膚」といいます。
  その皮膚の一番上の部分を角質層とよびますが、何層にも重なってできているその角質層が、必要な期間を経たあと、その仕事を終えて、剥がれ落ちていく時の形、それを垢と言います。 
  ちょっと小難しい言い方をすれば、「剥落した角質」ということになります。

 私たちの肌―皮膚上には 汗と脂の出る穴=汗腺皮脂腺が無数にあって、それぞれから 肌に必要な分泌物が出ています。
 その 二つの分泌物=汗と脂のまざったものを皮脂膜といい、それと剥落していく角質との混ざり合ったものが いわゆる 垢 ということになります。

  というと とても汚いものに感じますが、人の体から出た分泌物の混合物に、外界のチリやほこり、汚れが混じったのもに、各種雑菌が付着したり 繁殖してできた赤黒いようなものは、勿論 気持ちも悪いですし やはり どうかんがえても 不潔なものですが、通常の生活をしている時の 汗腺と皮脂腺から分泌されたものは、決して最初から汚い不潔なものではなく、どちらかというと 肌の乾燥や外界の刺激や雑菌などから 肌を守ることのできる 天然のバリアにすらなるものなのです。

 2 常在菌

 皮膚上には 常在菌と呼ばれる、そうですね、言ってみれば 正義の味方的善玉菌がつねにあって、人にとって良くないもの―紫外線やハウスダストやトラブルを引き起こすもとになる菌など 様々な体に異変をもたらすもの―を排除したり、そういうものを体内に入れないように 働いてくれているものがあります。
 それは 皮脂を分解してオレイン酸や酢酸を作り出して、皮膚のphを弱酸性にしてくれたり、食中毒を惹き起こす細菌の黄色ブドウ球菌などが、活動するのを防いでくれたりしています。


Cut by Mm.
 あかちゃんや小さい子供達、あるいは メイクをする前の年代の中でも 健康な人たちの肌を思ってみてください。これを読む方達にも そういう時代があったはずです。
 人がまだ若い頃は、肌の機能も活発に働きますから、自分の皮脂腺や汗腺から出てくるもの(正確には それらが交じり合ってできる天然のバリア機能のある物質)で 十分 肌を守ることができているので、何もつけなくても お肌は しんなりすべすべ、あるいは しっとりつやつやですね。

 これは とても大事なことで、実際に そういう状態がずっと続けられれば 本当は 一番良いのだろうと思いますが、人は 誰でも生まれれば 公平に時間の経過を身に受け、それは 誰一人として 例外のない事実でもありますが、それに加えて、この時代 どこへ行っても 空調完備は避けられず、心地よさと引き換えに 肌の水分をどんどん奪われ、脂分の過不足をもたらされていることは、年間を通して 何かというと肌が乾燥する経験をお持ちのかたなら、納得できることと思います。

 また 様々なストレスやいらいら、不規則な生活や不摂生な食生活などは、生理機能の不順や精神の不安を呼び起こし、(風が吹けば桶屋式ではありますが)最終的には 様々な皮膚トラブルとなって 私たちの 悩みの原因になってしまいます。

 3 過剰な清潔志向

 人の体は まず 生きるために その機能を働かせますので、神経が落ち着かず あれもこれも気になったり、めちゃくちゃな生活をすることやいい加減で 偏ったりした食事をしたりしていると、まず 何よりも―肌や髪の毛、爪や体型などよりもその人が生きるために最低限これだけは必要とされる生命維持のため、せっせと 働くことが 当然のことになります。
  つまり 体の中に向かって、何よりも どんなことをしてでも その人を生かすために 先ず はたらくということなんですね。
  ということは。。おわかりですね、体の外側については 後回しにならざるを得ないということなのです。

 そうなると 皮膚的には どうなるかといいますと、先ず 汗や脂の出方のバランスがおかしくなり、肌のかさかさやべたべたの原因が出来てしまいます。これは 顔だけの問題ではありません。それが続くと、こんどは かゆみや湿疹をおこしたり、雑菌の付着を防ぎきれなくて、あるいは増長させてしまって、ひどい皮膚トラブルの原因を作ることにもなっていきます。

 この現代の日本では 過剰な清潔志向が蔓延していて、それは 人が生活するうえで貴重な力=自分自身で作り出せる 自分自身を守れる力を持つ在常菌を 殺してしまうことにもなり、結果、先のような 悪循環を促してしまうということにもなっているのです。

 4 NMF

  さて 垢のお話ですが・・
 垢というと いいかたがちょっと いやでしょうから、これを ナチュラルモイスチャーファクトと 呼んでみましょう。別にいやな感じはしないでしょう?

 そうですね、つまり 一般にいわれているNMFというのは この垢→常在菌の含まれる 天然のバリア機能=皮脂膜=のことをいうのです。その人のためにその人自身が分泌するものによって その人自身を守る力を持つ皮膚生理上の産物 とでもいいましょうか。

 なんでも 綺麗な耳に心地よい言い方をするようになったり、イメージアップのために 垢 なんて言葉は使うところはもうないのですが、以前 もう ずっとまえですねー、私が 肌のことを学んだ頃は、あるメーカーでは 肌に必要な大切な三つのものとして 汗 垢 あぶら  肌の三アと よんだものです。

 元来、自然に人の肌に備わっていたはずの、天然のNMF=皮脂膜は、肌から必要以上の水分の蒸散を防ぎ、肌内にとどまって働くために必要なだけの水分量の維持に努め、新しい元気な皮膚の正常な生まれ変わりに貢献し、健康で丈夫な肌を育成するので、紫外線や肌に害のある各種悪玉菌の繁殖や増殖を妨げたり、外界の刺激から 肌を積極的に守ったりして、肌の潤いや滑らかさ、また 張りや弾力のある、血色のよい きれいな肌を 作ることができるものなのです。

 しかし ここ何年も続いている過剰な清潔志向によって今、それができなくっている私たちの肌の上を守るものは、では、何か といいますと、
  汗に対しては化粧水
脂に対しては乳液やクリーム、そして NMFに対しては 化粧水と乳液などの混合によりできた乳化状の擬似皮脂膜によって 行うことになっているわけです。

 5 ディリー・スキンケア

 汗をかくとすぐにシャワーを浴び、清潔にしなければというのは、それはそれでとても大事なことですが、そのたびに 石鹸を使って 必要以上にごしごしした後、特に何の手入れもせずに、ああ さっぱりしたー 気持ちいい といって、肌をほったらかしにしていれば、気が付いた時には お肌は がさがさ、ごわごわ。いろもくすんで、張りや弾力の失われた肌になり、それにおまけまでもがついて、水分不足による正常なターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)の不順がまねくしみやしわの原因をきちんと肌上に残してくれることになるのです。

 外出先から戻ったら 手を洗いましょう、流れる水で30秒くらいごしごしすれば 殆どの菌は 流れてしまうことは分かっているようです。
 顔を洗う時も、洗顔料は 適量をできるだけあわ立てて、直接 洗顔剤が皮膚にふれることによる皮脂のとりすぎをできるだけ避け、流れる水やぬるま湯で きちんと洗います、そして 自分から出るものを感じられるならそれを感じてから(即 突っ張るようなら 洗顔後すぐに)化粧水や乳液などを使用するようにします。

 体もそうですね、スポンジや垢擦りのようなもので 毎日せっせと肌磨きなんていって ごしごしやらないことです、必要な皮脂膜を 自分でこそげ取っているようなものですから、そうすることによる 常在菌のある必要なNMFを失うことになります。
 しっかり洗い上げた後は、ボディーローションやボディーミルクなどで、水分の蒸散を防ぎ、肌内の水分保持に努めましょう。

  多量に汗をかいたり、油や汚水にまみれたり、普段と違う状態であったのならともかく、通常の生活であれば週に1〜2回程度(季節にも寄りますが)、入浴の時に肌当たりの良い 柔らかな素材の物で 軽く肌の上を滑らせるようにすることや、時には 掌を使って 体をなでるようにしながら、皮脂を取りすぎない洗浄剤や石鹸などで体を洗うことは、清潔を保つ上に良いと思いますが、毎日 ごしごしとこすることは 決して よいことではないことを 憶えていらして下さい。

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Cut by Mm.

  さぁ いくらかは 垢・・というか 天然のNMFが とても大事なものなのだということ、お分かりいただけましたでしょうか・・?

 あかたろうのお話から ずいぶんな飛びようかともおもわれますが、いつかチャントお話したいと思っていたので、ちょっとチャンス、使わせていただきました。

 あ、でも・・、いくら垢にも役割があるから といって、不必要なまでには、放っておかないでくださいね、まるで あかたろうやあかたろうを作ったおじいさん おばあさんのようには・・ね、それとこれとは別ですよ。

 私たちが健康に過ごすために 与えられている大事なNMFです。
  どうぞ 行過ぎたお手入れで せっかくの力を無駄にすることなく、上手に付き合いながら、綺麗で健やかな肌での素敵な毎日をすごしたいものですね。

 



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