ひつじ小屋だより 27 発行日 2003.01.05
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ひつじ小屋の風景 17
(幸いなこと)
これほどに寒いというこの日もまた 仕事場の窓から ある一組の夫婦が目の前の角を曲がって 家路に着くのを見た。彼らを目にする時間は一定ではないが、二人はいつも一緒のようで、目にするのは 大概二人が買い物に出て戻ってくる時が多い。二人とも杖をつき ごく小さな歩幅でバランスをとりながら ゆるい坂道をそろそろと下っていく。何時もご主人が 買い物のビニール袋を持ち、ポーチを肩からかけ、ご主人の後を 足元に気をつけながら遅れがちについて行かれる奥様を 時々気遣うように振り返っては 立ち止まって追いつくのを待っておられる。 そのほかにも いつもの時間にきりっと引き締まった体をウィンドブレーカーに包み 黙々とジョギングに出かける同世代らしきの奥様を見かけたり、またリハビリなのか、でも何時もオシャレなスポーツウェアを着て ゆったりとした歩みでこの前の道を通り過ぎるご老人、ちっちゃな茶色いきれいな子犬を連れて 楽しげに歩かれるご婦人、ママとおそろいのヘアスタイルで自転車の後ろから 可愛い声を張り上げて 楽しげにおしゃべりしている女の子などなど・・、2年以上も同じ所に居ると 目にする人々の日常に あちらは知らずともこちらからは 見守るように関わること出来るという 不思議な時間を頂戴している。 年が明けようが 時がどれほどたとうが・・、人の暮らしにそれほどの変化の訪れることはなく、ただ当たり前に時を経て ごく自然に あるとき良い人生だったな・・と 思えるのなら、それは なんと有り難くも幸いなことであろうか。 私自身に関していえば さぁこれからという時に わけのわからない病気で1年半の療養したことに始まって、楽であったり危うかったりしながらも次々と5人の子供を授かり、その子育てに奔走し、すこし自分のことが出来るかな というときに前夫と離婚、就労経験のない30代なかばで 世の中に出て働くということを始めて経験し、2〜3の仕事を経て、現在の仕事に続くかつての薬粧店で13年働くという これまでではあった。 私のこれまでを知っている 語学や文筆に非常に稀有な才能のある友人は、私に「あなたのこれまでは 大変面白い。絶対に本にすべきだ!」とのたもうのだが、こうやって概要を書くだけで ウンザリするほどの重たさを感じる身としては そこまでするほどの根性もなく、あああ、なんとも いそがしい半生だったなー・・と思うだけが精一杯である。 いま現在決して順風漫歩でも 状況条件下において良好なわけでもないが、それでも 私は半世紀を経て尚 あちこちガタはきてはいるがこうして生きているし、けじめの年に「こう生きていこう」という具体的な生きる指標を見出したこと、そうしようとしている私を理解し、その思いが叶えられるようにやっていこうといってくれる これからを一緒に生きていきたいと思える人との出会いに恵まれたこと、子供達がそれぞれの道へ足を踏み出しつつあること、こうして思いを告げることを許されていることなどなど・・を思うと、今までのあの重苦しさなど すっかり重みを持たないほど 私のこれからにも希望があるというのは なんとありがたいことだろうと この幸いを感謝する未の年初めではあった。 幸いは独り占めしてはいけないとある方のメールに書きました、勿論この幸せは 皆様にお届けさせていただこうと考えております。 『今年もどうぞ宜しく!!』
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ケンとメリー 『幸せって・・・』 |
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ひつじさん登場 A あああ もう、なんて歩きにくいんだ。まったくこれだから こんなところにしまいこまれるのは嫌なんだな。どれ・・ よいしょっと。あ でも かなりきれいにしてくれたんだな。ここんちのママは ちょっと見ると あんまり細かいこと気にしないようだけど でも結構 せっせといろんなこと やるよな。この間も クリスマスだからって 手のかかるシュト―レンとかいうパンを 何個も焼いていたもんな。落ちてたかけらを食べたけどうん うまかった・・。と そうじゃなくって、僕のこと すきなのは分かるけどサー、何かっていうと よだれでべちゃべちゃにしてくれるエレ坊には 困っちゃうよなー。やっと表に出られたかと思うと あっという間に 口に持っていくんだから。ママが忙しいし、おにいちゃんもウルトラマンと遊んでいるし、パパは夜しか相手してくれないから、寂しいのは分かるけど、でも 気の強いエレ坊だから きっと あんまり我慢していると頭にきちゃうんだろうな・・・。それで 僕のこと ちゅくちゅくしながら くすんくすんしているのは ちょっと 可愛いけどね。でもさー やっぱり べちょべちょは勘弁してほしいよな。 さて 静かになったみたいだし ちょっと おもてをさんぽしよっかな。 |
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編 集 後 記
この未の年には 何とかして皆様にもっと具体的に もっと分かりやすく現実的にお役に立てていただけるよう 考えていくつもりでおります。 私で事足りることがありましたら 是非 思い出してください。
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