6月のお話 きんのまり
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むかしむかし、あるところに、ひとりの王さまがありました。
王さまには、うつくしい娘姫さまがたが、たくさんありましたが、なかでも、末の姫さまは、それはそれは美しくて 誰でもが 毎日 お目にかかりたいほどでした。 この姫様は また愛らしく、王様からいただいた ひとつのきんのまりをとてもだいじにして 宝物にしておいででした。 ある 夏の暑い日、お姫様は 森の冷たい水のこんこんと湧き出る泉のそばで、いつものように きんのまりを 上に放り投げたり とんとんと地面についたりして 楽しく遊んでおりましたが、ふと まりが手からそれたかとおもうと、ぽちゃんと泉に落ちてしまいまったのです。 「わたしのまり、わたしのきんのまりが・・!」 そして なかなかおちてしまったまりがあきらめられなくて、長いこと 泉のそばで泣き悲しんでいたのですが、しばらくすると 泣いている姫様のそばで 声がしました。 「もしもし、きれいなお姫さま、何がかなしくて そんなに目がつぶれるほどお泣きなのです?そんなに泣いたら 晴れた日の空のようなあなたの青い目が 夏の夕焼けのように真っ赤になってしまいますよ。」 すえ姫さまは びっくりして 顔をあげ、声のするほうを見ました。 かえるは 姫さまの気持ちを読んだかのように、にやりと笑うと 言いました。 「ああ そうだったの。」(それにしても なんて 気持ちの悪い ぬるぬるしたかえるなのかしら・・。おまけに なんて べっチャリして おおきいの!?) 「じつはね わたしの大事なきんのまりが、泉の中に 落っこちてしまったからなのよ。」 (ああ そうなのね、ご褒美が欲しいので まりをとってくれるというわけね。いいわ それくらいなら。宝物のまりが 戻ってくるんだもの。) 「そうよね、いいわ。約束してよ。なにがいいのかしら。私の持っているものなら 何でも上げるわ。真珠のネックレスでも、東の国のうすい絹のハンカチでも、沢山の宝石でも なんでも あげてよ。」 (なんですって!何を言っているのかしら このかえるは?こんなにみにくくて 気持ちの悪いかえるのくせして、人間の それも このわたしの友達になりたいなんて! 「わかったわ。そうしましょう。さぁ はやく まりを取ってきてちょうだい。」 かえるは うれしそうに気味の悪い笑顔を残すと ずぶりと水の中に沈んでいきました。そうして ほんのしばらくの後、いきなり姫さまの間近に 顔を突き出したかと思うと、まりを ぽんと放って 姫様に渡しました。 そして あくる日のこと。 「あのう。。 表に 大きなかえるがおりまして・・。」 王様は これをきいて 顔をこわばらせたすえ姫さまのほうを ご覧になられて、 すえ姫さまは きのうのことを 王様にお話しもうしあげましたが、それを聞いた王様は 少し 厳しいお顔をなさって こう おっしゃいました。 いったいどうしたものかと もじもじしているすえ姫さまに、王様はまた、かえるのいうとおりにしなさい とおっしゃいましたので、姫さまが しかたなく そのようにしてやりますと、かえるは ぴちゃぴちゃと音を立てて 舌なめずりを繰り返しながら、さもおいしそうに 食事を平らげてしまいました。 そうして おおきくなって さらに醜くなったおなかを突き出して、いいました。 すえ姫さまは、あまりのことに、しくしく泣きだしてしまいました。だって、ほんとに、ぬるぬる、ぴちゃぴちゃさわるのも気味のわるいかえるなんですもの。それが 自分のお気に入りの床のなかで、いっしょに ねむりたいなんて! すると 王さまは また おっしゃいました。 王様に そういわれてしまえば しかたありません、すえ姫さまは 吐き気がこみ上げてくるのを押さえながら、さもきみわるそうに、かえるをつまみあげると、自分のへやまでもって行き、ぽいっと 部屋の隅にかえるをおきました。 そして、あまりかなしいので 泣いて寝てしまおうと、お床の中に 入ってしまいました。 すえ姫さまは 我慢の限界!! そして また、明日にはもうさっそく ふたりで、自分の国にかえって行きたいので、どうぞ お嫁さんになってください と 言いました。 気持ちよく 綺麗に晴れた あくる朝、すえ姫さまとかえるだった王子様は、八頭だての白馬のひく きらきら輝く馬車に乗って、王子様のお国に旅立たれ、末永く お幸せに暮らされたということです。 このお話は ご存知でしょうか? 殆どの方が いちどは耳になさったことがおありかと思います。 多分 私は 壁に投げつけるどころか、いさめられても やだー と かたくなに かえるの訪問を拒むことでしょうし、もし 中に入れたとしても 部屋のスミにはおかずに、窓から 放り投げると思います。 青がえるとか 見た目、きれいだったり、ちいさいものなどは 平気なんですね。 しかし・・・、このひめ様もひめ様だけど・・ 王子様という人も 良く分からんです。 いかに 魔法を解くためとはいえ、あからさまに自分を嫌い、嫌悪感 丸出しの上に 最後には 自分を壁にたたきつけるような女と どういう理由で 一緒になりたいのか・・??? これも ただ 彼女が「きれい」だからなのか?? 逆に・・、さっきまでかえるだった男と 夫婦になろうなんて、これも わからない。 物語は もう少し先まであって、これも また わけがわからないのですが、忠義な臣下のハインリヒという、自分の大切な主人が かえるになってしまったことを 嘆きに嘆いて 胸が張り裂けるのを 押さえるために、胸に箍(たが)をつけて、主人が人間になるのを 待っていたという・・・ これも なんとも 私などは ええええ〜〜〜??? こいつ へんだぞー と おもうような そんな男が、おむかえの白馬の馬車についてきていて、主人が もとに戻ったうれしさに、また 胸がはじけそうなのを押さえているので 胸の箍が ぎしぎしと音を立てる、という・・・ なんなの〜 いったい??? と おもうような おち?が付いています。 末永く 幸せに暮らしたんだから ま いいか ですが。。 あなたは いかがですか?
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