ひつじのカラーストーリー
No.12
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Colors―色・色
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一年間続けてきたカラーストーリー。思いつきで始めた割には楽しく、書きながら 様々なこれまでを思い出すこともできて、自分としては面白かったと思っていますが、皆様にはいかがでしたでしょうね・・??
一年の最後の月である12月には 何の色を持ってこようかと、始めた頃から考えていたように思いますが、ついこの間までは 黒をもってこようと 思っていました。
ご記憶でしょうか?この欄の最初は赤でした。それでやはり対抗できそうな色として黒を、と思ったのですが、つとおもいたって すべての色への賛辞にしたいと考えました。
巷にものが満ち溢れるこの現代日本にあって、そのそれぞれには それぞれの色というものも含まれ、そのため何を見ても 色の氾濫のようなところも無きにしも非ずというところですが、その割には 私達は色を選んだり 楽しんだりということに対して あまりにも無頓着であったり、困惑してばかりいるようにも思います。
来年、このお便りを続けることができるとしたら、この欄を基本的な私の仕事らしくメイクアップに関わるものにしたいと考えていますが、そのための媒介として、花を取り上げてみようと思っています。わたしがよくこれまでに助けてもらっているメイクアップの色あわせなどの参考やきっかけには、花や木などの自然の風景からのインスピレーションがとても多いので、どうやって そういうものをメイクに取り入れていくかを、簡単なイラストやわかりやすい解説を交えて作れれば・・と願ってはおります。
世の中に満ち溢れる沢山の色たち。そのいちいちがとても美しくて不思議・・、そう思わずにいられない遠藤ですが、出来合いの色物などでは 同じ色の再現はとても無理なので、そこから得られるイメージを、持っているものを使って、新しく「自分の花」として創り上げていくことで、生まれてから自分で自分をケアすることができなくなるまで、その時々に出会った色の一つ一つを自分で味わってみたい。
それを日常の様々なシーンへのメイクアップに生かしてみたいとも思い、この仕事を続けていける間は それを実現していこうと考えています。
『夜明け前はもっとも暗い』といいます。すべての息がうせてしまったような無に近い漆黒の闇に一条の光の息吹が瞬時に飛び立って、一日が始まります。
見る見るうちに様相を変えていく空と海。その色の変遷を見つめていると、世界がどれほど美しさに満ち、どれほど私達が愛されて在るのかを、身のうちに染み入るように感じることができます。あらゆる色たちの命の喜びを歌うような光と景色の移り変わりは、私達に、自分達のいるところが、如何に尊いものかをも知ら示しているようにも思います。
これほどまでに恵まれた私達に与えられたあらゆる色たちを、どうして自分のものにしないでいられましょう・・?!
私達は、命の温もりとしての様々な色を喜んで受け、慈しみつつ、感謝を持って楽しむべきではないでしょうか。
それが 生きようとする意志をはぐくむこともある と信じて・・。 (終わり)
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