ひつじ小屋だより 89

ひつじ小屋の風景 79

連鎖を止める

パンジー かわいいね


考えるひつじ

まわりを見れば・・
誇らしい’身内’たち

ちまたの話
荒崎さんの「風の草花画展」

 メイクアップ
 
皮膚感覚でするメイク


愛すること 38

子供への指導

キレイをおいしく!
木の実入り白玉団子

ひつじ小屋の日々
春の訪れ

編集後記

発行日 2008/03/05発行人 遠藤由美子

ひつじ小屋の風景 79  連鎖を止める

 砂混じりの春一番から、今日のそれはもう何番目のことか・・。
まだまだ、ひたひたとした寒さを感じる時もありますが、それでもそろそろ世の中は春めきつつあります。
 先日、ネットサーフィンをしていたところ、こんな文に出会いました。


  『母親が子育てにおいて理不尽な態度を取るのは,母親自身が孤独感や寂しさなどの寄る辺ない感情に悩まされてきたからかもしれません。それを子供によって癒そうとしているのかもしれません。

  そしてそこには,どこか恨みに似た心理力動も働いているようです。その起源は母親自身の子供時代にあるに違いなく、その時代に味わったかもしれない鬼体験のごとき心の傷が癒されないままでいるのかもしれません。  
  そうであれば母親もまたほとんど子供のままといえるでしょうし、被害者です。人間は代々、順繰りに親から被害をこうむる宿命のもとにあるといってもいい過ぎではないように思います。恨みの根が深く、それだけに母親という立場、年齢になっても、被害をこうむった内なる子のネガティブな感情がはらんでいるエネルギーは強大です。母親としてもそれに逆らえないのです。
  繰り返し世代を超えて引き継がれる人間であればこその不条理です。

 せめて夫がしっかりと妻をサポートしていれば,かなりの確度でこういう悲劇を回避できるのではないかと思います。実際には夫たちにそれなりの問題があるのがほとんどです。』

(EME大河内メンタルクリニック 院内通信「自己の回復」その3より) (太字・一部書き換えは遠藤)

ほら

春をあげる

 実は今、家族間で起こっている問題とそれに関わる長いこと引きこもったままの成人の娘について、喧々囂々の真っ最中なのですが、彼女の抱えているものに何らかの糸口は無いものかと探っているうち、結局は毎度のごとく自分の問題に還ってくるということを実感していた矢先に出会ったものでした。

 ここにいう"世代を超えて引き継がれる不条理"はまさに自分にもあって、それは両親へのいまさらまったくどうしようもない思いで、半世紀も積み上げ固めてしまった感情の氷解はかなり難しいことをつくづくと実感中。こうなったら超人的?に我が意志の力を働かせて!覆すのみ・・なんて。(^^;

 "人の不条理"・・これは どうしようもない人の業のようなものでしょうか。
それが悪であると分かっていても、そうしているときにはそれとは気付かず、いくつもの歯車が互いに連鎖しあって大きなものを動かしているように、小さな一つの悪感情の連鎖が恨みつらみや苦しみになっていることは、殆どの人が経験しているのではないでしょうか。ひょっとしてそんなものとは無縁の暖かい慰めと愛に満ちた家庭のなかで、心美しく育てられた方もあることでしょう。しかしながら、それもおそらくそれほどの数は無いのでは・・と思われます。

 どうしようもないことをいつまでも・・と本当に思います。しかし、それに気付いた今の自分が思ったのは、遅まきながら できる限りこの悪の連鎖を自分のところで止めなくては・・、ということでした。それには、まず自分のこれまで抱えてきた恨みや憎しみの問題夫々について、正面きって対峙することから始めなくてはなりません。そして 今それを始めたところなのです。が、正直いってかなりきつい作業ではあります。

 そんなことをしているときに出会った、もうひとつのブログ。

  「アダルトチルドレン」なんて言葉が流行り始めてから、「親にしてもらえなかったこと(でトラウマになっていること)」にフォーカスしがちだけれども、自分が一生懸命育児をしていると、「してもらえなかったこと」の記憶も蘇ると同時に、「してもらえなかったワケ」にも思い至るようになることもある。

 だって、大変だもの。子どもがしてもらいたがっていることに目いっぱい応えるのは。
  経済的にとか、兄弟が多いからとか、様々な理由でできないことがあると、親の立場になると分かるのだ。

「できるものならやってあげたかった。」という心情もあるだろう。』 
  (原文のまま)

        (木下直子さんの"おうちケア"2月のブログ「してもらえなかったワケ」より)

 後悔山積の我が子育てにも慰めをもらったように思いましたが、過去にしてきたことをいまだに悔やんでいる自分に気付いた痛みも 同時に感じました。

 これまでの時をかけて作った間違ったものを壊すのは、きっとたいそう骨の折れることでしょう。でも、思い立ったが吉日、きっとできると(どこかで自分を)信じています。

 

考えるひつじ

  まわりを見れば・・ 

 「誌上のユートピア」というタイトルで3月9日の日曜日まで開催されている葉山の神奈川県立近代美術館に行ってきた。住まいから歩いていける距離に、良質な美術館があるというのは、なんと恵まれていることかと折々に感じている。(これで小ぶりなライブ施設や劇場、映画館などをかねたものでもあったら もっといいのだけれどなぁ・・。) 

 件の美術展だが、その展示作品は数多く、例えば誰にでもおなじみの黒田清輝、高村光太郎、藤島武二、鏑木清方、竹久夢二・・などなど、そして私の好きな青木繁の絵なども。そのほかにも沢山の思い溢れ、勢いほとばしる鮮やかな情熱を携えた画家たちの作品群が所狭しとならべられていた。また本の装丁、挿絵、見事な絵葉書やポスターetc.の数々を見、いちいち感じ入りながら、なんとも素晴らしい至福の時を過ごすことができた。

 メディアを通じて知らされる殆どが、壊れて救いようの無いみっともない様子の哀れな日本とそこに住む人々の為した様々な愚挙の連なりなどばかりだと、いい加減この国への愛着など感じにくくなるのだが、しかし、こうした優れた才と知の表れを間近に見るとき、身内を誇らしく思うような気分になっているのに気付く。

 ぎりぎりですが まだ、見ることができます。どうか、私たち日本の誇る親愛なる美術の数々に目を留めて、時を経て尚その衰えぬその情熱を感じてみてはいかがでしょう。ごらんになられることを是非に!とお勧めいたします。

ちまたの話


桜には早いかな・・、でも 
明るい光がまっています。


・ 「風色の草花画展」2008・鎌倉のご案内です。この3月28日から4月1日の間、鎌倉は小町通りにある"ギャラリーやまご"にて、荒崎良和さん草花を描いた水彩画展が開かれます。

・ まだいらしたことのない方は是非!すでにいらしたことのある方は、また是非!いらしてください。
  一枚一枚に描かれた夫々の野生の花々から届けられる柔らかな風が、どうしてか目から喉を通って、胸の奥へ・・そっと吹き込んでくるのが分かります。

・ この展覧会のお知らせが来ると、時季を知ります。私はまた友人とお邪魔する予定。

たのしみです ♪

   メイクアップ 

 以前、化粧品の販売が主な仕事だったころのあるメーカーでの特別なセミナーで。

 昼食の後、少々眠くなる時間の講義で、年配のその講師はテンポ良く話しながら壇上に設けられた台を離れ、右に左に歩きつつテーブルの上においたスキンケアを使って鏡も見ずに、目から下のメイクを丁寧に落として素肌になりました。そして、なおも話し続けながら持っていたポーチからメイクベース、ファンデーション、チークを出して、これまた鏡も見ずにきれいに化粧直しをしてしまいました。
  ちょっと鏡を見て口紅をささっとつけていましたが、アイメイクもほんの一筆程度ですっかり仕上げてしまわれたのには、唖然呆然。なんとも鮮やかなお手並み(?)に こんなことができる人がいるなんて!と驚嘆至極でした。 

 当時、彼女は今の私くらいの年齢でしたか・・、メイクを落とした後の素肌がなんともきれいで、これもまた目を見張ったものです。
  チークを手に取ったときは、どうやって?と思いましたが、こともなげにくるくるとパフを使って普通に仕上げていました。

 その時思ったのは皮膚感覚。鏡に頼らない、自分の触感を信じている人のできること、ということでした。本当にすごいなーと思うのと同時に、素晴らしい感覚の磨き方だと思いました。
  化粧してきた時間分のメイクアップとの付き合いを大事にしながら、皮膚感覚を優先する・・、かっこいい!

 

愛すること 38
子供への指導

♪ 「子供にはね、うそをついたとかけんかをしたとかつまみ食いをしたとか、仲良くしなかったとか勉強を怠けたとかって言うことで、良いとか悪いとかをいわないの。

♪ そうじゃなくて、友達が困っていると分かっているのに手助けしなかったり、できることなのに恥ずかしがってやらなかったり、格好悪いからとか面倒くさいからという後ろ向きの気持ちでね、やろうと思えばできたことをしなかったってことをこそ自覚と反省をさせて、つぎに同じようなことがあったときには、それを意識して改めたことができるようにしなくちゃいけない。」

♪ ふと、亡くなった恩師のそんな言葉を思い出して、本当にいまさらなんだけど、子供たちに対して、まったくすまなかったなぁ・・、もうちょっとちゃんと恩師の言葉を聴いていたら・・という気持ちで 一杯になっています・・。
           

きれいをおいしく!
木の実入り白玉団子

材料:白玉粉 一袋、 適量、くるみ、アーモンド、カシューナッツ、ドレンチェリー、オレンジピールなど適宜。杏露酒など少量。片栗粉

作り方:1 ナッツドライフルーツは細かく刻んで混ぜておく。
2 白玉粉をボウルに入れて、必要量の水を少しずつ入れて混ぜ、耳たぶくらいの柔らかさになったら、気持ち大きめの玉に分ける。
3 2の一つを平たくしての混ぜ物を少量のせてまとめ団子にする。
 沸騰した湯に3を入れて煮、浮き上がってから2分くらい茹でて冷水に取る。
5 杏露酒を薄めて火にかけ、煮立ってきたら水:片栗粉=1:1で溶いた物を回しかけ とろみをつける。
 器に木の実入りの白玉団子を入れ、上から5をかけていただく。 

 中華風の白玉団子。少しの手間がさらにおいしくします。火にかけるのでアルコール分は飛びますが、お好みでジュースにとろみをつけたものでもよいですね。

ひつじ小屋の日々
春の訪れ

 先日、外出時に見舞われたのを黄砂と思っていたのは、実はかなりの規模の砂嵐だったとのことですが、月が改まってからのそれは確かに黄砂だったようです。お節句の散らし寿司を作っているときに、ふいに雷鳴がとどろいてびっくりしました。

春雷や暗き厨の桜鯛   (水原秋櫻子)

ようやく春になりますね・・!

◇ 別々の方たちからそれぞれお持たせを戴く。総数15個の桜餅など季節感一杯の和菓子。ご一緒させていただきながら夫々の和菓子を一つずつ戴き2個。後片付けの後の休憩と称してお茶をいれ、せっかくのお菓子だからとさらに2個戴く。
 勿論、タコ氏の食することに依存は無く、彼も2個おなかに納めている。

◇ 夕食後にもいただくが、良く考えたら別に自分たちだけで食べなくても良いのだ。が、本日中にお召し上がりくださいって書いてあるしなぁ。だめにしてはいけない・・なんて^^;

編集後記

・ 生活がばたばたしている。アレもコレもめちゃくちゃな感じがして落ち着かない。
  心を亡くしているこの忙しさは、決して良いものではない。ある程度の忙しさは楽しんでいられるけれど、今のそれは、なにもかもを一緒くたにして大きなものに詰め込んでどこかへ投げ捨てたいくらい。

・ こうなると、仕事を含めた何もかもが雑になってしまいかねない。ここが肝心。「忙しいことを言い訳にしない。」と言いながら、あたふたと走り回っている自分がいる・・。


Aurea Ovis

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ケーキのお礼・・


渡部誠一 作

不思議に 手に懐かしい

ずっと ずっと 昔、こんな風にして 葉っぱのお皿に盛り付けた記憶を 見つめる時・・

 


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お箸と一緒にやってきた黄水仙は
まるでお日様のかけら

笑顔と笑い声で 春をつれてきた

華やぎと元気が日々に満ちる・・
幸福の黄色よ

 



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