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5月のお話し ちいさな煙突掃除やの話 |
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11月2日 今日の午後 僕は 先生に言われて 教材を取ってくるために 隣の女の子ばかりの校舎(女の子が700人もいるんだ)に 行ったのだけれど、そのとき とても よいものを 見ることが出来た。 校門の入り口のそばの道で 一人の煙突掃除の男の子が 壁に寄りかかって 本当に さめざめと泣いていた。そばを通りかかった 小さい女の子が 泣いている理由を尋ねたけれど 答えない。それでも 何人かが寄ってきて 一体どうしたのだと 聞くと、まだ 赤ん坊のような顔をした その小さな煙突掃除やは、”何軒もの家の煙突を掃除して やっと30ソルドになったのだけれど ポケットに穴があいていて すっかりなくしてしまった。だから 家に帰れない。” 「親方が棒で僕を打つんだ!」 そのとき 女の子の中の 少し大きな子が「私 2ソルドしかないわ。」といって お財布からお金を出して 男の子にあげた。その子は「みんなの小銭を集めれば すぐ30ソルドになるわ。」といって そばを通る女の子達に声をかけ始めた。みんな 寄ってきては 花や紙ばさみを買うために もっていた小銭を 少しずつ出し合ったけれど、まだまだ 足りなかった。 中心になっていた女の子が 「大丈夫よ。あの人たちならきっと もっているわ。」と 上級生達の来るのを見て言った。 そして 事情を話すと 上級生の一人は ちょっとまとまったお金を出してくれた。皆 その子に感謝して お礼を言ったが、まだ あと少し足りなかった。 後から来る生徒達が それぞれ 自分のもっていた小銭を出したり まだ 小さい子達は 上げるものが無かったので そばにあった花や 買ってあった花を幾つか束ねて 煙突掃除の子に差し出した。みんなが お金を上げるので 何かしなければと 思ったのだろう。 金髪や栗色の髪の毛、赤や青のきれいな着物を着た女の子達の渦の中、囲まれた煙突掃除の子。でも その様子は とても 美しかった。 そのとき 門番の女の人が来て 「校長先生ですよ!」と いったので 皆 すずめが散るように ぱっとかけていってしまった。
これは イタリアの19世紀の作家 エドモンド・デ・アミ―チス というひとが 1886年に出したという 子供向けの本 『クオレ』のなかの お話しの一つです。 当時 イタリアは戦後の悲惨な社会状況にあり、その中でも 子供達の未来を ひどく憂え、また 何とか彼らに 国に対する誇りや 人としての望ましいあり方を教え知らしめて、希望を持って その人生を生きて欲しいという願いを形にしようとしたアミ―チスは、エンリーコという ひとりの3年生の男の子の’日記’という形で、日々の学校や家庭生活で ごく 当たり前にある 日常を描居たということです。 私が生まれた年に刊行された 少年少女文学全集 という何冊もの中の一冊で、私は それを いまだに後生大事に持っているわけです。勿論 子供達も読んでいます。(特に女の子達は・・) 主人公の少年は 多分 裕福な家庭にあるように思われますが、彼が通う学校には いろんな立場 いろんな職業の家の子供達が集まっているようです。 何故かといいますと 結構な方たち(武者小路実篤やら川端康成やら・・)が 原文に出来るだけ忠実に でも 文学として 薫り高いものを という意向を持って 訳しているからです。 この本のすごいな と 思われることの一つに 書かれている大人達があります。 こういう本は なかなか 出会いませんね、とくに この現在では・・。 あなたには そういう本が ありますか・・? |
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