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☆10月のお話し 星の子☆ 昔 北の国のその又北の とても寒いところに 子供のない夫婦がいました。 ある日 二人は そりに乗って、町まで買い物に出かけたのですが、その帰り道の途中で おかみさんは 広平原の向こうに 何か置かれているのを見つけました。 二人は 顔を見合わせ、こんなところでこんな小さな赤ん坊が ずっと 表にいるなんて 死んじまうよ。そうだ、それに きっと こんなところでわし達に気がつくようにするなんて きっと これは神様のお恵みに違いない。と言い合い 赤ん坊をそっと抱き上げました。 そして 二人は子供を連れて家に戻りました。それから 近所に出かけていって 事情を話し、もしかして 誰か知っている人の子供ではないか と 聞いて回ったのですが、誰一人 そんな子供を知るものはありませんでした。そこで 二人は 役所と教会に行って、これまでのことをはなし、出来ることなら 自分らが その子供を育てたいのだが・・ と 言ってみました。 二人の喜びようは 大変なものでした。そして 夫婦は お礼を言いに子供を抱いて、教会に出かけていき、司祭様にこの子のために祈りをささげてくれるように頼みました。司祭様は「では 一緒に祈りましょう。お前達二人は この子に なにをのぞむかね?」と 訊ねました。 二人は しばらく相談していましたが、こう答えました。「この子が 誰からも愛される子になりますように。」 子供は すくすくと育ち、元気で 愛らしく、夫婦が 最初に願ったとおり、その愛くるしい笑顔と 雪のように白い肌、明るい空のような青い目、春の野辺に咲くノバラのように きれいな薔薇色の唇を持ち、すばしっこく動き回り、良く笑い、人々から とても 可愛がられ 愛されるようになりました。 皆は この子供が 本当に天からの贈り物で、きっと 星の子に違いない、と 言うほど、ダレでもが その子供を可愛がりましたので、少し大きくなったその子供は だんだんに 誰もが自分の言うことに 反対しないのをいいことに 様々に 文句を言ったり、いたずらをしてみたりするようになりました。 でも 誰かを怒らせたり、驚かせたりしても 星の子が ちょっと 顔を曇らせて、困ったような様子で 少しは悪かったな・・と 思っているようなそぶりを見せるだけで、酷い目にあった人でも すぐに 彼を許してやってしまっていたのです。勿論 今は その子の親となっている あの夫婦においても同じでした。 子供は 結局 本気で悪いと思わなくても、そういうそぶりだけで 人をだますことを覚えましたので、そのいたずら振りは、何かを起こすたびに すこしずつ 本当の悪いことへとすすんでいくようになり、ついには 大きな町のならず者連中の仲間になって、言われるままに 人々をだましたり、酷い目にあわせたりするようになってしまいました。 とうとう 町の人々は 星の子のすることに腹を立てて、彼のいうことやすることには 一切 かかわらないようになり だれもが彼を相手にしないようにしてしまいましたので、星の子は すっかり 誰からも相手にされなくなってしまいました。 ところが ある日 とうとう 星の子は、人を傷つけて お金を奪う ということをしてしまい、そのために お役人のところに連れて行かれてしまいました。夫婦は あわてて駆けつけ、散々に アレコレ 諭すようなことを言いましたが、もう 息子の耳には そんな言葉も入りません。一緒に 心配してやってきていた司祭様にも 悪態をつくなど あまりの酷い態度に みなは この子を 夫婦が拾ったところに また おいてくることに決めてしまいました。 それでも 星の子は 全く反省せずに、「へん、そんなものなんでもないや。」と強がりをいい、自分から馬車に乗り込んで、町外れの さびしく広がる平原の真ん中までつれてこられました。 お役人が 泣いて嘆く両親を連れて行ってしまうと、星の子は 広くて なんにもない 寒い荒野の真ん中にぽつんと一人だけで 取り残されてしまいました。 しかし いくらも行かないうちに 日はとっぷりと暮れ、星明りだけが頼りの暗闇に包まれてしまいました。 すると それまで夜空に瞬いていた星たちが ひとつ、又一つ と 降りてきて、星の子の周りを囲みました。 星の子は 眠っている間に ずいぶんと たくさんの夢を見ました。 しばらくすると 星たちは また ひとつずつ 順番に天に帰り、その後しばらくして 星の子が ブルッと震えて 目覚めました。 そのとき、星の子の方に向かってくる一台の馬車がありました。星の子は それを見て 飛び上がって喜びました。お父さんが 自分のために 息せき切って やってくるではありませんか。 家に戻った二人は 二人を待っていた母親と三人で また いっしょに暮らしていくことを誓いました。 司祭様は「よろしい。では これからのお前達のために なにを望むか、いいなさい。」と 言いました。 それから 星の子は、出会う人たちを大切にし、親切に にこやかにするようになったので、こんどは 人々も心から 星の子を愛しいと思い、可愛がったということです。 「最大の報復は その子供を甘やかすことだ。」と なんとも 恐ろしい名言を吐いたのは 確か ショーペンハウエルだったと思います。 まぁ こんな話を読んでしまうと 納得できてしまいますが、自分の子育てを振り返ってみても、しかし おもいあたってしまうことがあるんですねー。 私は 結構 子供好きで、めちゃくちゃ アマヤカすんですね。まぁ たまに会うような 人様のお子ならいいのですが、でも 自分の子供をそうしてしまうと、確かに 甘く育ててきた子ほど わがままで きかん気で、我が強く 扱いにくい。ずに乗るのも甚だしいんですよ これが・・。 で こういうことが どういうことになるかといいますと、自分も勿論 嫌な思いをいちいちするのですが、しかし 結果的に その子が手におえないとなると 周りからスポイルされるのは、当のわがままな本人なのですね。これは 後から思えば 親が手を貸して、その子供を 社会から遠ざけている ということになるわけです。 なんとも・・・でして、可愛いから 可愛い可愛いと育てて その挙句が 自分でも持て余してしまうほど 増長するまでに 憎々しく仕上げてしまう。まったく 情けなくも 哀れな話しではありませんか。 親が 一番陥りやすい罠、「ダレからもすかれるいい子になってほしい。」 人は 自分を大事にしてくれる人を大切にし 信頼します。 よく 長女が言うのですが、誰からも良く思われようとすることのほうが おかしい。そんなことを目指すことこそ 偽善だ。確かにそう思います。 それでも 人は やっぱり 人から疎まれることが怖いんです。だから ちょっと位のことなら 目をつぶって 我慢して言いなりになったり、嬉しくもないことを喜んでいるそぶりをしたりするんですね。決して いけないことではないです、ある程度まではね。 だから 自分のありのままを 喜んで受け入れること、自分がどれほどのものかをわきまえ知ることは とっても 大切なことになるとおもます。(余談ですが 私の仕事は 皆さんがそれに気づくお手伝いを目指しているんですよ。) 誰一人 自分を疎んじるものがない となったら、反って 人を疑うようになったりするんでしょうか・・ 愛されるより 愛することが出来るように・・! まさに そう思いますね。
P.S. ちなみに 原作は もっと どろどろしていて これでもかというほどの 辛い目に主人公が あいまくります。ですが ココでお話しするには 長すぎると判断して、それと ちょっとなー と 思えるようなことがアレコレあって、簡単にしました。 |
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