秋の気配が濃くなるごとに 日々の穏やかさと静けさが増していくような気のするこの頃ですが、先日 仕事をしながら、いつもは聞かないラジオなどをつけっぱなしにしていて聴いた番組がありました。 それは、一週間同じ話題をさまざまな角度から リスナーのおたよりとともにゲストと話していくというもので、その週は「顔にまつわるあれこれ」がテーマでした。
私が聞いた日のテーマは、「プチ整形について」でしたが、私もしました、私もやってみたい、というリスナーたちの声が、親からもらった体に云々・・やら、自然が一番などという声をはるかに超えた集計結果であったため、つい耳を傾けてしまいました。
聞いていて思いがけなかったのは、プチ整形(目元の修正というのでしょうか?一重から二重に とか、大きくしてもらったとか。あるいは 額のしわをとった、頬をリフトアップさせた・・などなど)の経験者の半分以上が、40、50、60代以上の方たちとかで、若く 元気に、できるだけきれいにという願望をかなえて、とても満足している ということが伝えられていました。
(勿論 中には、思うようにならず、その後がつらくて悲しい、やらなければ良かったという後悔、何にでもついて回る失敗例というものもありましたが・・。)
その日のゲストはプチ整形経験者という作家の中村うさぎさんで、さまざまなリスナーの声に率直に意見しておられました。その一部に・・
『顔をいじるというのは、自分で自分に責任が取れるようでなくては やってはいけないのではないかと思う。みんながやっているから とか、ただ単に今の顔がいやだからこういう顔に というのでは、もしも失敗した時、あるいはうまくいったとしても それで自分が周りから浮き上がってしまう結果になった場合、でも そうすることを望んだ自分のやったことなんだから、と受け入れられるようでなくては、ただ人を恨んだり、マイナス感情に陥って、苦しい人生を得てしまうことになるだろうと思う。』というような内容を話されていましたが、私も それはそうだろうな・・と 思いました。。 |
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また、その翌日のゲストはフェイシャルセラピストのかづきれいこさんでしたが、その日のテーマの「メイクについて」では、私も 常々思うことを 言っておられました。
『メイクって、顔にあれこれ塗ってするものと思っている人たちが多いんだけど、私は そうは思わないんですよ。たとえば、眉を描いて"あ、ちょっとはっきりした。"とおもったり、口紅をつけて "あ、元気そうに見えていいじゃない。"っておもえることがその人にとってのメイクだと思うんですよね、つまり、その人が元気に見えることが大事なんで、そう見えるのなら、眉だけでも口紅だけでもいいと思うんですよ。
その人が元気に見える、それがメイクをするということの一番の基本的な目的だと思うんですね。』
同感です。私は、メイクアップを基本的に学ぶ という意味で、そのためのコースを設け、その方のためのメイクアップの捕らえ方やその手順をご指導したりしていますが、4回コースをお受けになられた方はご存知ですが、そのコースの最後に 何をするかといいますと、ギャルソンヌメイクという、ほとんどファンデーションを使わないメイクを学んでいただいています。
このメイクのときは 眉もできるだけ自然に、アイカラーもできるだけ控えめに、口紅すら使わない場合もありますが、大概の方が とても素敵になられます。
(ただ・・、このメイクをいきなりやろうとしても、その方の肌状態のよさというものが条件になりますので、ちょっと難しい場合もあることはあります。)
そして、仕上がったメイクは その人を一番 その人らしく魅力的にしてしまいます。
これは、どんなことにも共通していえることでもあると思いますが、何でものっけから手控えない=楽しようとしない、基本をきちんと学んでから、引いていけるものはできるだけ引いていく、そうすると その人本来のものがきれいに見えてくる ということでもあると思うのですね。
顔かたちというものは、それこそ 生まれ持ってきたものであり、故意に手を入れない限り その形を変えるということは困難でしょうし、また、それを行ったことで その方が明るくなり、自信を持って生き生きと生活できるようになるならともかく、あるリスナーのように、一度手を入れると ここも あそこも・・・となって、今では絶えずどこかを修正しないではいられない という、人は決して満足しないという事実などを思うと、もしも、メイクで外側から何がしかの自信や納得を得られるのなら、それは その人にとって 大きな意識変革となって日々の生活に弾みをつけたり、自分で自分の人生を気軽に、楽しんで創り上げていくための良い助け=方法になるだろうと、思うのです。
できるだけ長い間 若く美しく というのは、誰しも思うこと。でも、外見がそうであっても、そのほかが伴わなければ、そのアンバランスは時を経るごとに、その人を 実に 奇妙な存在にしてしまうことでしょう。 たかが顔、されど顔。自分にとって自分の美しさがどういうものであることが望ましいのか、まず それを自覚するところから、美しさが生まれてくると思うのですが・・いかがでしょう?
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