『エレの引き出し』
ひみつのいえ 7
ここはなに?と ききたいきもちになったとき、マントの人が ひとつのかべにあるとってにてをかけ ゆっくりと ひきだしました。
ああ、ひきだしなんだ! エレとおにいちゃんは かおをみあわせました。
マントの人が引き出しをあけ、みんなに みてごらんと あいずしたので、ふたりといっぴきといちわは どきどきしながら ゆっくり ひきだしのなかをのぞきこみました。
その引き出しの中には ちいさなすける人のかたちをしたものが ねむっていました。
みんなは びっくりして じぶんたちのくちをふさぎました。そうしないと つぎつぎに いろいろなことをきいてしまいそうだったからです。
マントの人は みんなが いっしょうけんめい しずかにしようとしているようすを見て、まんぞくそうにうなづくと、そっとその引き出しをしめ、ほかの引き出しをあけました。
その引き出しの中は からっぽでしたが、なにか みおぼえのあるかんじがします。かおをちかづけると、どこかでかいだことのあるなつかしい香りがします。
(・・!このかおり・・!)(ゆりのかおりだわ!)
ふたりといっぴきといちわは さいしょにたずねた やさしいおんなの人のことをおもいだしました
つづく・・
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