ひつじ小屋だより 90

ひつじ小屋の風景 80

桜のように

考えるひつじ

まわりを見れば・・
「夕凪亭」

ちまたの話
ミニ提言

メイクアップ
それも良し!

愛すること 39
やって見せ・・

キレイをおいしく!
せりご飯

ひつじ小屋の日々
桜のころは・・

編集後記

発行日 2008/04/05  発行人 遠藤由美子

 

ひつじ小屋の風景 80

桜のように

 桜が、咲き始めていました。そして 過日は 朝からの雨花冷えの一日。その翌日の早朝の曇り空は 和紙に薄墨を滲ませたような見事な青灰色の濃淡。
  そこに、まだ眠たげな薄手の淡いピンクの花びらが、冷たい中にも微かにぬくもったような朝の風に起こされて、とろんとしながらこちらを眺めておりました。

 一年中で、一番、この時が好きです。
実際 出かけていって花を見に行くのは勿論、その短い盛りにどうにも間に合わずに行き違ってしまって、ただ通り過ぎるばかりのときがあったとしても、私は「この時季が一番いい。」と思っているのです。

 そして先日、連れ合いが伺ったそのお宅のお庭にあった桜を、其方の方が二挿しほど切ってくださったからといって持って帰った桜が、数日後 テーブルの上で満開になりました。
 机上のお花見。これだけ生きてきて こんなの、初めて。すごく嬉しかったです。

ハートの花びら

かわい!

 桜という花はなんとも不思議です。その一つであるときは、なんだかとても頼りなく、あまりの色の淡さに 他となじみすぎて解けて消えてしまいかねない。

 それなのにいくつものそれらが集まれば まるで夢雲、淡雪の化身。推さなさ、艶めかしさ、でも気品さえ漂わせ、楚々と、そしていざとなれば思い切りよく潔く激しい・・、なんとも心ざわめかせる美しさは、一種 凄絶とも言えるような感じすらします。

 人の記憶などはるかに超えて、幾世もの時々をその身に携えて在る古木たちは、時季になるごとに、何を咲かそうというのだろう。いつも、いつも思うのですね、そんなことを。

 桜の樹の下を歩く。昨日までは まだもう少し先だなと思っていたのに、いきなりその一枝にひしめき合うようにいっせいに咲き満ちるとき。少し離れた小山のあちこちに柔らかな春霞になって見えるとき。
  花びらが風に乗って明るい日差しに舞い踊るとき・・。一瞬、越えてはいけないとされている時空の壁を、ふと誤って飛び越えてしまったような、わけが分からずに立ち往生するような、そんな感覚になることがあるのです。

 その感覚は 本当にとても独特。そして 何故だかいつまでたってもそれにちっとも慣れなくて、毎年同じ驚きを繰り返す自分が、ばかだなぁ・・と思いながらも、結構気に入ってもいるのです。

 何故か優しい気持ちになる。どうしてか暖かな思いになる。静かに、そっと、そして愛しげな眼差しの微笑に包まれるような気持ちになる・・。
 毎年、毎年・・、いつも いつも そんなものを桜の樹の下を歩くときに感じます。

 私は何度も躓いて、私は何度も間違える。私は幾度も誤って、私は幾度も悔やんでる。

 過ぎていった時々は決して戻ってこないから、どんなに悔やんで苦しんでも、過去や昔は変らない。ただその事実が在るばかりで・・、終わったことは何一つとして変らない。

 変っていくのはこの自分、それなのにやっていることは一向進歩が無いのです。
 

 だけど・・、それなのに、毎年 毎年 春が来れば桜がそのように咲くのです。 『大丈夫だよ。』というために。
 「命のある限り、何度でもやり直していいんだよ。」

  絶望しない、希望することを見失わない、諦めないでもう一回やってみようとする。そうすることが全く意味ないとか無駄とかなんかじゃないってことを思い出させるために・・・。

 なんて、ね。暑いのも寒いのも苦手だから、のんびり好きに過ごせるこの時季が性に合ってるから、そんなことを考えるのかもしれません。しかしながら、私は 実にその通りと信じて今、居ります。

 世間的に価値があるとされることで、人の耳目を集めることなどを人生の目的にするというのも悪くはありませんが、山の桜のように、普段はその存在など思うことなどないけれど咲いて始めて、ああ、こんなところにも桜が・・というような、そんな人生もいいなぁ・・思います。
 
  その時だけですけれど、ちょっとの間、見る人の慰めや小さな喜びに参加できるそんな人生もいいんじゃないかなぁ と やっぱり桜を見ながら思うのです。

 

考えるひつじ
 
   まわりを見れば・・  「夕凪亭」


 食料自給率の低さはかなり前から言われているというのに、この国のそれを挙げるための対策は、一向にはかどらない。・・というか、まるでやる気無し(みたい?)
  先日も今現在、自給自足できるもので一日の食事をとるとしたらという一例が新聞に出ていたが、三食サツマイモがメインのようだった・・。そして、つい数日前、東京の自給率が1%を切ったというニュースが。やってることを思えば当然だろうが、何しろ絶対量が超不足すぎる。

  本当はまわりに土のある家ならば、ちょこちょこっと耕した畑もどきで作った野菜などを毎日食べるのが一番良いのだろう。そうすれば あまりに多くの物を食べ過ぎて、余計な病を抱えることもなかろうに・・。 

 ・・と、そんなことを考えていたら最近、当ひつじ小屋の近所にそれを日常として食事させてくれるレストランを発見。地の物を新鮮なうちにおいしく戴くことを目的にしたメニューが嬉しい『夕凪亭』(ひつじ小屋から徒歩5分)

 
疲れた身体にさえも優しい食事は、それぞれの食材がメインだ。その珍重さを他所と張り合って競うなんて愚かしいことに躍起になどならずに、自分の回りにあるものがこんなにおいしいものなのだということを、さりげなく気付かせてくれる。作るほうは大変そうだが、食べる側には実にありがたい料理店である。

ちまたの話
ミニ提言

腹黒くならない 黒イチジクのマフィン ^^v

・ どこだかのお役人は、人の支払った税金使って旅行にいらしたようで・・。取りやすいところから取るというのは、まぁ 普通に考えることなんでしょうけれどね〜。

・ 安心できる老後のためにと払ってきた年金がそうではなくなっている現在高齢者と呼ばれる方たちを、前期と後期に分け云々。やれやれ、いったい何をしたいの?この国の役人たちは!やることが違うでしょ!

・ これ以上取れないところから無理やり取るんじゃなくて、ふんぞり返ってる輩のあり余ってるものから取るもんでしょ。 そしたらいくらか皆の見る目が変るか・・も よ?

 
    メイクアップ   「それも良し!」


 この国で、大人の文化を発展させることは困難なのでしょうか。美容業界などでは特に、時を重ねる=年を取る=肉体的に衰える・・と括っているからでしょう、勢い若さばかりが注目され、一点のしみも無い若いモデルのような肌を、年代に関わりなく追求する向きがあるように思います。

  しかし、人は、決して若くなっては行きません。極端に言えば、昨日より今日のほうが、1時間前より今この時のほうが年を取っているのは、誰一人例外が無いですよね。時を止めたり、逆に戻したりはどんな人にもできないことなのだ、ということを まずしっかり一人一人が認識する必要があると思います。

 
 
そして、「今、そうである自分」をどうしたら衰えから遠く若く見せることができるか、ではなく!『どうしたらそれもチャーミング』と思うことができるかと考えるほうが、美しくなるのにずっと建設的で現実的だと思うのです。
  その時、それ(老化していくこと)「も」チャーミングと捉えるためには、その魅力と思われるものが現れていないと少し分かりにくいかもしれません。つまり時の重なりの見える肌などを憂うよりも やはり「その人が現れる」ということを大事にするとこだと思うのです。

  目で見てきれいなだけでなく、その人のチャームポイントを前面に魅せる工夫をするということです。その良し悪しはともかく、人は時を重ねることで、どういうわけかその内面が顔に表れやすくなりますから、その良い部分が見ればすぐ分かるようにすればよいのです。 

  今の自分をそのまま受け入れられるようになれば、きっと笑顔がとても魅力的になりますよ。v^^

さて・・  これは 
なんでしょう?

愛すること 39
やって見せ・・

 会社組織ともなれば、春には新しく入ってくる人たちがあり、そのたびに似たような問題が云々されていました。いわく 挨拶ができない、目があってもすれ違っても会釈もしない。それもどういうわけか、いつも去年よりも今年の新人たちは・・でした。

 そして、お決まりの新人研修。挨拶は基本、とせっつくようにしつこく繰り返され、これだけいわれれば習慣のようになって挨拶くらい誰に言われるまでもなくするだろうと思いきや、これがまた どういうわけかなかなかそうならない。なんとなく口の中でもごもご、なんとなく頭を下げているような・・。

 それでも、しばらくすると「おはようございます。」「お疲れ様でした。」などと言い出します。一体何をしたのかといえば、ただ毎朝声を掛けただけ。朝には「おはようございます。」仕事が終われば「お疲れ様。」 たったそれだけで挨拶が身につくのです。

 〇〇ができない、▽▽がだめと文句を言うより、やって見せればよいだけのこと。大人も子供も一緒。言われて気持ちがよければ、皆同じことをするでしょう。ついでに笑顔で言うともっとよいですね。

きれいをおいしく!
せりご飯

材料:炊き立てご飯 2カップ分、せり 洗ってさっと湯がいてみじん切りにしたもの 二にぎりほど、けずりがつお醤油 各適宜

作り方:1 米は普通にといで水加減しておく。

 ご飯が炊き上がったら、けずりがつおをふたつかみほどと刻んだせりをいれ、ふたをしてむらす。

3 2を茶碗によそう前に、醤油をまわしかけ、ご飯をつぶさないようにざっくりと混ぜる。 

 醤油ではなくをふるせりご飯が一般的なようですが、W氏直伝のせりご飯は、おかかと醤油のもの。確かに塩のほうが見た目にはキレイですが少々弱い感じ。
  このせりご飯のほうがずっとおいしいのです。  
 
  せりには鉄分食物繊維が含まれていて、貧血便秘に効果的。独特の香りには保湿効果発汗作用があるので、冷え性に良いそうです。

  同じく含まれるビタミンCが身体に抵抗力をつけるということで風邪にも有効とか。解毒作用、高血圧にも良いそうですよ。

ひつじ小屋の日々
桜のころは・・

◇ ひつじ小屋だよりの67(の、ひつじ小屋の日々)でもご紹介した葉山の「つつじ公園」に、例によって思いついて行きました。いえ、つつじではなく桜を見に。←今年も・・^^;
  ですが、すでに盛りを過ぎていたので、土曜日というのに人気は殆どなく貸しきり状態。はらはらと風に吹かれて降る花びらの中を、若葉の萌え始めた花もまばらな桜を愛で、全身で鳴く鶯の声をすぐそこに聞きながらの静かで贅沢な花見ではありました。

◇ その数日前、友人と鎌倉は小町通りのギャラリー「ひさご」にて開催された、荒崎良和さんの「風の草花画展」におじゃましました。
  最終日だったこともあり大変な盛況。この度描かれた白梅の絵は、ふと香りを錯覚してしまうほど、優美にしてたほやか。ほわっと気持ちが包まれたようでした。

◇ が、その日は前日の冬から一転しての春陽気に満員電車そのままのような人出。疲れたけど、皆考えることは同じなのね・・と おかしかったです。

編集後記

・ 部屋の扉を開けて漂ってきたのは甘い香り。ジャムを煮たり、ケーキやクッキーを焼いているときのぬくもりと甘さのあるおいしい匂いは それだけで幸せな気分。

・ 小麦粉の値上げにつれて連れ合いのタコ氏、目に付くとすぐに買うのは良いのですが、風邪を引かせる前に使ってしまわなくては と、作るのはこっち。 おいしい!といって食べるだけの人はいいなぁ・・ ^^;

Aurea Ovis

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ふと 出会った 薔薇 たち

静かで柔らかな色合いを
している

散々つれまわしたためか
香りが 少し遠い

それでも
そこに いる というだけで

なんという この
心の和らぎよう・・

 

強く 凛々しく 美々しい薔薇も
暖かく キュートで 愛らしい薔薇も
華々しく 輝かしい薔薇たちもあったが

この 静けさと 暖かな柔らかさを
どうしても 連れ帰りたいと 思ってしまった・・

自分で薔薇を買うなど 思いもしなかったが

春の気まぐれ
こんな風に 求めてみるのも

たまには いいのだろう と思う

 

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