Aurea Ovis

きょうは『金羊日』

12月

1 冬の朝の平和

2 時点

 

1 冬の朝の平和

  今日は 全国各地で 氷点下の朝を迎えた とのこと。

 そういうときであっても このあたりは、数度くらいにしかならないのだけれど、それでも こんなところに暮らしていると、今日の朝の冷え込みは かなりのものに思われた。

 天気予報士は、明日から少しの間、この寒気は緩むといいながら、週末からは 数日間、さらに厳しい寒さになるでしょう ・・と 明るい声で言い放った。

 

 暖房と呼ばれるものの、あの 媚びるような作り物の暖かさが、苦手で、
だから ここでは 人様がおいでにならないときには、よほどのことが無い限り、エアコンなどをつけることは 無い。 せいぜい使って ホットカーペットくらいだ。

 こういう暮らしになるには、いろいろいきさつというのがあるのだけれど、自分の住まいなら それが普通でも よそ様に伺えば、そういうことは めったに無く、いや ほとんど無く・・ まったくなく・・、実家などは、季節を間違えたかと思うくらいの暖かさ、いや 暑さで、これでは 枯れ木になりつつある老親たちは ひあがってしまう と おもうのだが、当の本人たち、とくに 父の寒がり方は尋常ではないので、まわりは しかたなく それに付き合って、赤い顔をしている・・。

 それはともかく・・

 今朝、その寒い屋内から さらに 寒い屋外での洗濯物を干しているときのこと。

 このあたり、日陰という 古称があるほど、日の当たるまでの時間が長い上に、そのかげりも早いのだが、最初のころこそ、その 日差しの少なさが不満だったのが、そのうち そういうもの になって、日が出ていようがいまいが 関係なく、時間になったら洗濯物を干すことになっている。

 そして 今朝も そのようにしていた。

 あたりは まだ 静かで、日中ずっと聞こえている 近場の工事の音も聞こえず、車の行き来も それほど無くて、隣近所も まだ 家の中のようで、狭い庭は 冷たさを加えて さらに しんとしていた。

 風もないし、猫の現れる こそとの音も無く、見上げれば ただただ青い、透き通るような空が、雲ひとつも漂わせずに広がり、空気の冷たさの故なのか、鳥の姿も見当たらない。

 草のしおれた乾いた土の上に 冷たさを感じながら立って、物干し竿に 洗濯物をかけ広げて・・ おもったのだ。

 ああ、平和だなぁ・・

 

 小国日本を取り囲む 大小の国々とのさまざまに生じ始めている軋轢や苛立ち。
ふたを開けてみれば、軽く予想できていた、改めてげんなりする国内政治事情。
 あれほどのことを 経験したというのに、まるで何も学ばなかったような、のど元過ぎて 熱さを忘れた 牛歩のごとき震災への救援、対応状況。

 自分の回りにしたって、なかなか 麗しい未来を夢見ることなど 到底できそうに無いような、先の見えないことばかりのあれこれに、何かというと ため息ばかりの日々を繰り返したままの現状なのに・・

 静まり返った きーんと冷たい中で、ふと 見上げた濃い青い空と、むこうの山の端を まばゆいばかりに金色に染めていく 朝の日の光の上るのを知りながら、

 それでも、無事に在るんだ、自分は。  と 思ったのだ。

 言い出せば きり無いほどに、だれにだって 日々のあれこれはある し・・
それがわかってもわからなくても、自分なんかに関係なく、喜びや怒り、哀しみや楽しみは 縄のように繰り返し訪れるのが、人生なのだ と 考えてはいるのだが・・

 それにしても、今 自分は、こうして 洗濯物を干しているのだ。

 これを 幸いなこと ― 平和だなぁ・・・ と おもったのだ。

 

 ・・ うまくいえないのだが、なんだか 今朝は、痛いような寒さの中に、一枚 はらりと なにかを脱ぎ置いたような、

 そんな 感じが した。

 

 

2 時点

  今日は、予報では 南関東でも積雪5cmとのことだったが、・・ 雨である。

 もちろん、それで 全然 かまわない、 寒いのを除けば。

 まぁ 冬だし、きがついたら そこに もう 巳年の影がちらついているし、そういえば クリスマスだわ・・ と いまさらのように 思ったりするくらいだから、ほんとに なんでもいいのだ。

 そうなのだけれど・・、さっき、ふと 何のきっかけだったか・・、このごろの自分が 変わったんだ、と 思ったのだが、なぜだか それを 『時に追い越された』 というそんな感覚があったからだ。

 ちょっとした 置いてけぼり感、とでもいおうか。 なにか さまざまなあれこれが ごく 当然といった風で 自分の横をすり抜けて、こともなげに 先へ 行ってしまうのを、目で追っているような・・  そんな感覚があったのだ。

 どういうことなのか、まったくわからないけれど、べつに だからといって 困った、とか さびしいとか、途方にくれるような、そういうこともなく、ただ あ、行ったな、という 感じ。

 それでも、自分は 普通に これまでと変わりない速度で歩いている、そんな感じ。

 なんなのだろう?? こんな感覚 初めてだ。

 

 ・・で ふと おもったのだ。 これが 年をとった ということなのかなぁ・・ と。

 それとも なにか 別のことなのだろうか?

 その、すこしの一人ぼっち感とか ひと気の減ったような静かさのようなものを、体の内側で 感じているような気がしている。 

 ふ〜ん そうなのか・・ なるほど、・・みたいな。

 ただ、、あまり 孤立感は無いので、たぶん 別の何か なのだろうと思ってはいるのだけれど、・・・ 説明が とても しにくい。

 

 少し前から、一瞬、先ほど感じたその感じを、感覚的に知っていたのだけれど、さっき、それが こうして 言葉になったのだ。

 もし これが、年をとったから 知ったことだというのなら、年をとるというのは、かなり 妙なことを経験するのかもしれないな・・と おもった。
 これから先、次には どんなことが 知れてくるのだろうか・・ 
 少し 期待したりして・・

 ちょっと おもしろいな、と 思ったので、記録の意味で、書いた。

 

 

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