伊藤神父 「あなたは生まれる場所や両親を選ぶことは出来ないでしょう。寿命も決められません」
「確かにそうですけれど、そういうことは あまり考えたことはありません」
伊藤神父 「ただはっきりしていることは、あなたがどこでだれから生まれようとも神様がそう望まれたからなのです。その中で精一杯生きていくことです」
その二人を親として生まる ということに、「人」は 何もいえないし、出来ません。
それは もう どうしようもないこと。
この国、あるいは ここではないところに 生まれたくても、それも どうしようものないことです。
もっと長生きしたい、あと10年生きたい と おもったところで、それもまた 人には どうしようもないことではあります。
ずーっと 長いこと、そこに居続けて いつからそうだったのかも思い出せないくらい長い年月、数えきれない四季を・・、
柔らかな新芽と若い緑、日差しを跳ね返す濃い緑に 水気を失った硬い茶色、地に落ち風に吹かれて見失う、その時々の葉を 幾度もいくども つけ続けてきた一本の樹のように・・
そこにあれ と 存在する そんな樹のように、そうありながら 終わりの時まで 精一杯 生きていくこと、それが 望まれた人生を生きることになるのかな と 思ったりもしています。
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